100%人力によるプロフェッショナル翻訳
レベル3のプロフェッショナル翻訳では、1名の翻訳者がテキストを翻訳します。(テキストのボリュームや納期によっては、複数の翻訳者がドキュメントを分割して翻訳に当たります)これは、ISO17100翻訳(レベル2翻訳)や、トランスクリエーション翻訳(レベル1翻訳)とは、また別の種類の翻訳です。
レベル3翻訳は、そのコストパフォーマンスの高さから、プロフェッショナル翻訳の中でも主流の方法です。ポストエディット翻訳(レベル4翻訳)も急激な人気上昇を誇っていますが、それでも、今日の主流はレベル3翻訳となっています。
原則的には、レベル3翻訳のプロジェクトを任されるプロの翻訳者は、翻訳と通訳の分野で最低でも3ℊの学位を取得している他、少なくとも5年の経験を有することが基準とされています。その一方、今日の多言語サービスの需要の増加に伴い、学位は以前ほど重視されず、それぞれのプロジェクトに相応しい技能を有する翻訳者が選出される傾向にあり、需要に対してより柔軟かつ的確に応えるべく、ルールの見直しが進んでいます。その結果、高い学位を持ち合わせていなくても、特定の分野(科学、マーケティング、技術など)で豊富な経験を積んだ優秀な翻訳者が、該当ジャンルの翻訳に優先的に配属されるケースが増えています。
時代の変化とともに、多言語サービスも進化しているのです。
翻訳レベルの混同
2010年代に入ってから、機械翻訳、特にニューラル翻訳ツールの性能が著しく向上したことにより、多くのフリーランス翻訳者が、テキストを事前に機械翻訳にかけるようになりました。その結果、こうした翻訳者たちは知らず知らずのうちに100%人力翻訳(レベル3翻訳)よりランクの低いポストエディット翻訳(レベル4翻訳)を提供する様になり、翻訳のレベルは極めて曖昧になってしまったのです。
現在では、翻訳レベルは細分化され、ポストエディット翻訳(レベル4翻訳)というもっとも初歩的なレベルのサービスカテゴリーが、あえて設けられるようになりました。
機械翻訳を介すると、翻訳者の文章構成力が制限される傾向があるため、アテナオでは、翻訳者が自動翻訳ツールを事前に使って翻訳することを、契約上禁止しています。
100%人力翻訳の作業ステップ:
- 案件ごとに配属されるプロジェクトマネージャーが、翻訳テキストの内容とファイル形式の分析し、ワード数をカウント、最も適切なコンピュータ支援翻訳ツール(通称CATツール)へのファイルの読み込み(内容によってはこの工程は省かれることもあります)、翻訳メモリと用語集の適用し、必要に応じてお客様へのアドバイスの提供した後、見積もりを行います。
- 翻訳のターゲット言語を母国語とし、当該分野に精通したプロの翻訳者(または翻訳チーム)を選出します。弊社の翻訳サービスを2回目以降ご利用のお客様には、言語ごとに、専属の翻訳者を割り当てます。(いつもの翻訳者が不在の場合には、ご希望の言語と分野に精通した別の翻訳者2名が、サポートにあたります。)この手順は、長期にわたって翻訳の一貫性と正確性を維持するためのものです。
- ご依頼のプロジェクトに最も適したコンピュータ支援翻訳ツール(CATツール)を選出した上で、翻訳作業を開始します。CATツールと互換性のないフォーマットやテキストのドキュメントは、ネイティブアプリケーションを使用し、元のファイル上で直接翻訳されます。
- 校正:翻訳完了後、翻訳者は訳文の質をさらに向上するために必要な校正作業を行います。これには、文章の修正、文章の再構成、不適切な用語の置き換え、用語の調整などが含まれます。
- 一貫性の確認: 翻訳者は、特定の用語や文体の基準を守ることで、訳文全体に一貫性が保たれているかを確認します。用語管理ツールも、同一用語を一貫して使用するために活用されます。
- 翻訳チェック・校正:ステップ5終了後、翻訳者は訳文の内容を精査にチェックします。特に、内容の正確性と全体の一貫性を保ちながらも、自然な文章に仕上がっているかを確認し、高い品質の翻訳を担保します。これが、100%人力翻訳(レベル3翻訳)の仕上げのステップです。
アテナオによる100%人力翻訳(レベル3翻訳)の強み:
- コストパフォーマンス:レベル3翻訳は、100%人力により行われる翻訳手法の中では、最もコストパフォーマンスの良い翻訳手法です。
- 100%人力によるレベル3のプロフェッショナル翻訳には、翻訳のクオリティを下げるアルゴリズム/ニューラル機械翻訳を使用しないことが保証されてます。
- お客様のプロジェクトが、ターゲット言語を母国語とする、厳選されたプロの翻訳者のみにより翻訳されることを保証します。
- 機密保持:翻訳したドキュメントを保存・利用する従来の機械翻訳ツール(プレミアム版を除く)とは異なり、当社のレベル3翻訳サービスは、お客様のドキュメントの絶対的な機密保持を保証します。アテナオは、翻訳者と機密保持契約を締結し、翻訳者に委託されたすべての文書をその対象とします。お客様からお預かりした全てのドキュメントは、当然ながら厳重な機密保護の対象となります。
100%人力翻訳(レベル3翻訳)は、どのようなプロジェクトに適しているのか?:
- プロジェクトの継続期間が中期におよぶ案件。
- 細部にわたるまで読者に”注意深く読み、理解してもらうこと “を必要とする案件。
- 高級品やハイエンドに関するプロジェクト。タイポグラフィミス等が絶対に許されない案件。
- 非常にハイエンドなプロジェクトで、公開前に、お客様との確認・すり合わせが必要となる案件。
- 原文と最大限に同等なニュアンスやコミュニケーション効果を期待する、正確なライティングを必要とする案件。
100% 人力による翻訳(レベル3翻訳)の限界 :
一貫して人間が翻訳作業にあたるため、人為ミスの発生が最大リスクと言えます。
納期
プロの翻訳者は、100%人力翻訳(レベル3翻訳)の場合、1日2000ワード程度をこなします。1日3000ワードをこなせる翻訳者もいますが、高い品質を保ちながらこの翻訳ペースを超えることは、人間には不可能と言われています。そのため、納期が短い案件の場合、アテナオでは翻訳する文章を分割し、複数の翻訳者による翻訳チームを編成します。翻訳者が3人以上に及ぶ場合は、プラットフォームの導入や、異なる翻訳者の訳文を均一に整える作業も追加で必要になるため、ワークフローが複雑になり、コストが高くなる傾向があります。
確かな品質と、確かな限界
翻訳者が1名のみで一貫して翻訳と校正を行う場合、別の翻訳者による訳文のチェック・校正を加える場合(これはISO17100翻訳 – レベル2翻訳に該当します)と比べて、翻訳の質はどうしても下がります。このリスクできる限り回避するため、アテナオの翻訳者は各プロジェクト後にアテナオとお客様の双方から評価され、低い評価や否定的なフィードバックが寄せられた翻訳者は以降、翻訳プロジェクトに採用されません。この方法によって、アテナオでは最高レベルの翻訳者のみを厳選して起用しています。
100%人力による翻訳に向いていないケースとは?
- 非常に高度な翻訳が要求される場合。微妙な言い回しの誤差など、翻訳がもたらす影響やコストが、翻訳価格よりも高くなるつくケースを指します。
- 言語学者または翻訳者による校正が必要とされる場合(ISO17100翻訳 – レベル2翻訳に該当します)。
- 特定のソフトウェア・プログラム、製品データベース、リファレンス・マニュアル、標準的な機器の使用説明書、観光案内文書(宿泊案内のパンフレットなど)、簡単な法律・行政契約書には、ポストエディット翻訳(レベル4翻訳)の方が適しています。
- 微妙なニュアンスや芸術的な表現などを含む繊細な文章で、不適切な翻訳が与える影響が非常に大きい場合。
- 読者に与えるインパクトを、ターゲットとする顧客層や国の文化や背景に応じて充実させたい場合。プレスリリース、広告映像、読者の感情的反応(認知度向上、イメージ向上、購買意欲への働きかけなど)を目的とする文章には、トランスクリエーション(レベル1翻訳)が適しています。
- 読者の誤解や誤った解釈が、悪影響をもたらすリスクが懸念される場合。(絶対的な正確さが要求されるテキストの場合)
文書の内容や性質に応じては、ポストエディット翻訳(レベル4翻訳)、ISO17100翻訳(レベル2翻訳)、トランスクリエーション翻訳(レベル1翻訳)を選択した方が良い場合もあります。詳細はこちら。
翻訳を必要とするプロジェクトを、多言語サービス会社アテナオに託するメリット
- アテナオでは、長年の経験と高い専門知識を通じて、お客様のプロジェクトの内容および予算に最も適した翻訳カテゴリーをアドバイスすることができます。
- 翻訳カテゴリーを明確化するアテナオでは、レベル3の翻訳プロセスで、機械翻訳ツールを使用しない翻訳を提供することを保証しています。
- 高品質な翻訳の提供をお約束するアテナオでは、2度目のご依頼以降、常に同じ翻訳者が割り当てられます。この翻訳者は、お客様が他のレベルの翻訳が必要とされる場合、レベル2翻訳(ISO17100翻訳)やレベル4翻訳(ポストエディット翻訳)にも起用します。