ISO 17100翻訳
フランスの言語サービスプロバイダー上位20社に入るアテナオは、2022年に翻訳サービスのISO 17100認証を取得しました。ISO 17100は、翻訳業務のプロセスや翻訳に携わる人材の資格や力量を規定した国際規格で、翻訳文の品質を確保すべく、国際標準化機構(ISO)によって2015年に制定されました。多言語サービスの品質向上を探求し続けるアテナオの姿勢は、翻訳サービスの品質を保証するこの国際規格の取得により裏付けられたと言えます。
この度ISO 17100認証を取得したのは、フランス・エクサンプロバンスの本社で、年間約3000万語を翻訳するアテナオ最大の組織でもあります。
これにより、同社は翻訳プロセスをこれまで以上に細分化し、100%人力翻訳(レベル3翻訳)をより強化する、ISO17100翻訳(レベル2翻訳)を提供できるようになりました。
その作業工程は、まず最初にプロの翻訳者がテキスト全体を翻訳し(または複数の翻訳者がテキストを部分ごとに翻訳)、出来上がった訳文全体を別の翻訳者/言語学者が校正・修正する、というものです。
ISO 17100翻訳の作業ステップ:
レベル2翻訳の作業フローには、翻訳レベル3のフローに加え、別のプロの翻訳者による校正ステップが追加で入ります。
- 案件ごとに配属されるアテナオのプロジェクトマネージャーは、翻訳を必要とするテキストの内容と、そのファイル形式を分析します。次に、専門ツールを用いて単語数をカウントし、文書ファイルをコンピュータ支援翻訳ツール(通称CATツール)に読み込みます。(内容によっては、この工程は省かれる場合もあります)その後、関連する翻訳メモリや用語集を適用し、必要に応じてお客様にアドバイスを提供した後、見積を行います。
- 翻訳のターゲット言語を母国語とし、当該分野に精通したプロの翻訳者(または翻訳チーム)を選出します。弊社の翻訳サービスを2回目以降ご利用のお客様には、言語ごとに、専属の翻訳者を割り当てます。(いつもの翻訳者が不在の場合には、ご希望の言語と分野に精通した別の翻訳者2名が、サポートにあたります。)この手順は、長期にわたって翻訳の一貫性と正確性を維持するためのものです。
- ご依頼のプロジェクトに最も適したコンピュータ支援翻訳ツール(CATツール)を選出した上で、翻訳作業にあたります。CATツールと互換性のないフォーマットやテキストのドキュメントは、ネイティブアプリケーションを使用し、元のファイル上で直接翻訳されます。
- 校正:翻訳完了後、翻訳者は訳文の質をさらに向上するために必要な校正作業を行います。これには、文章の修正、文章の再構成、不適切な用語の置き換え、用語の調整などが含まれます。
- 一貫性の確保: 翻訳者は、特定の用語や文体の基準を守ることで、訳文全体の一貫性を保ちます。用語管理ツールも、同一用語を一貫して使用するために活用されます。
- 翻訳チェック・校正:ステップ5終了後、訳文は、別の翻訳者または言語学者による完全な校正、用語チェック、スペル、文法、構文、タイポグラフィのチェックを受け、必要に応じ改訂されます。これが、ISO17100翻訳(レベル2翻訳)の仕上げのステップです。
アテナオのISO17100翻訳の強み:
- 精度の高さ: ISO17100翻訳(レベル2 翻訳)は、プロフェッショナル翻訳の最高峰であり、完璧な品質を保証するものです。2人目の翻訳者による校正と改訂が入ることにより、ISO17100の翻訳にミスが生じる余地はありません。
- 100%人力による翻訳:レベル2のプロフェッショナル翻訳は、アルゴリズム/ニューラル機械翻訳を使用しません。
- ダブルチェック制度:レベル2の翻訳では、ターゲット言語を母国語とする、最低でも2名の厳選されたプロの翻訳者がお客様のプロジェクトを担当、翻訳することを保証します。
- 機密保持:翻訳したドキュメントを保存・利用する従来の機械翻訳ツール(プレミアム版を除く)とは異なり、当社のレベル2翻訳サービスは、お客様のドキュメントの絶対的な機密保持を保証します。アテナオは、翻訳者と機密保持契約を締結し、翻訳者に委託されたすべての文書をその対象としています。お客様からお預かりした全てのドキュメントは、当然ながら厳重な機密保護の対象となります。
ISO17100翻訳を必要とする文章は?:
- 高度な技術翻訳を要する医療機器、産業機器、科学機器に関する書籍や取扱説明書など、中〜長期に及ぶ案件。
- 細部にわたるまで読者に”注意深く読み、理解してもらうこと “を必要とする案件。
- 高級品や最上位品質の商品や事柄に関するプロジェクト。スペルや文法、構文、タイポグラフィにミスが残ることが絶対に許されない案件。
- 非常にハイエンドなプロジェクトで、不適切な翻訳がもたらす影響やコストが、翻訳費用よりも高くつくリスクのある案件。
- 原文と最大限に同等なニュアンスやコミュニケーション効果を期待する、正確なライティングを必要とするプロジェクト。
- 読者の誤解や誤った解釈が、多かれ少なかれ否定的な結果をもたらす可能性のある案件。
- 欧州基準、規格、規制の対象となる製品の取り扱い説明書など、認証(CEマーキングなど)の対象となる翻訳には、ISO17100翻訳が必要となります。このようなテキストは、通常非常にシンプルな内容であるため、一見、100%人力翻訳やポストエディット翻訳が適しているように見えますが、あえてISO17100翻訳をを選ぶことにより、翻訳された文章の誤読や誤解による問題が発生した場合に、法的な保証を得ることができます。
納期 :
プロの翻訳者は、100%人力翻訳(レベル3翻訳)の場合、1日2000ワード程度をこなします。1日3000ワードをこなせる翻訳者もいますが、品質を保ちながらこの翻訳ペースを超えることは、人間には不可能と言われています。そのため、納期が短い案件の場合、アテナオでは翻訳する文章を分割し、複数の翻訳者による翻訳チームを編成します。翻訳者が3人以上に及ぶ場合は、プラットフォームや翻訳の標準化などの手順も必要になります。
ISO17100翻訳でなくても良い場合とは? :
- 100%人力翻訳(レベル3翻訳)のみで間に合う、言語学者や第三者の専門翻訳者による厳格な校正を必要としない案件。
- テキスト量が膨大かつ納期が短い、理解度だけが重要な案件は、レベル4翻訳(人工知能が作成した翻訳文を、人間の翻訳者が修正する、ポストエディット翻訳)で対応可能です。
- 読者に与えるインパクトを、ターゲットとする顧客層や国の文化や背景に応じて充実させたい場合。プレスリリース、広告映像、読者の感情的反応(認知度向上、イメージ向上、購買意欲への働きかけなど)を目的とする文章は、トランスクリエーション(レベル1翻訳)が必要となります。
翻訳を必要とするプロジェクトを、多言語サービス会社アテナオに託するメリット
- アテナオでは、長年の経験と高い専門知識を通じて、お客様のプロジェクトに、内容およびコスト共に最適な翻訳レベルをアドバイスすることができます。
- 翻訳カテゴリーを明確化するアテナオでは、レベル2の翻訳プロセスで、機械翻訳ツールを使用することはありません。
- 高品質な翻訳の提供をお約束するアテナオでは、2度目のご依頼以降、常に同じ翻訳者が割り当てられます。この翻訳者は、お客様が他のレベルの翻訳が必要とされる場合、レベル3(100%人力翻訳)やレベル4翻訳(ポストエディット翻訳)などの翻訳にも起用します。